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破産

アメリカの自動車業界のビッグスリー(GM(ゼネラル・モーターズ)・フォード・クライスラー)の破綻は、記憶に新しいかと思います。

クライスラーは2009年4月に、GMは2009年6月に破産法を申請しました。アメリカの自動車業界を牽引してきた2つの大企業が、わずか3ヶ月の間に破産したのは、アメリカのみならず全世界で衝撃的なニュースとなりましたよね。

フォードは唯一破産法の申請は免れましたが、大事なブランドである「ボルボ・カーズ」などを売却して難を逃れました。痛手であった事は言うまでも有りません。

参考:フォードが経営破綻しなかった理由と「フォード2020ビジョン」

ビッグスリーがなぜ経営危機に陥ったのか?その理由を振り返ってみましょう。

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トドメを刺したリーマンショック

証券取引所

ビッグスリーにトドメを刺したのは、破綻した2009年のわずか1年前に始まった金融危機、いわゆる「リーマン・ショック」です。

リーマン・ショックとは、投資銀行のリーマン・ブラザーズが大規模な負債(60兆円超)を抱えて倒産した事に端を発した「世界的金融危機」を言います。

ビッグスリーのみならず、日本の自動車業界にも大きな影を落としました。

金融危機のトリガーとなった「サブプライムローン」や「日本の自動車業界への影響」についてはこちらを参照してください。

参考:サブプライムローンと自動車販売台数の関係(日本国内)

金融危機の影響は大手銀行の破綻を招き、さらに「景気の悪化」「消費の冷え込み」へと波及していきます。その影響はビッグスリーの販売台数にも及んだ事は想像に難くありません。

また、ビッグスリーは自動車ローンを子会社で取り扱っており、ローンの焦げ付きや資金運用の失敗で大きな損失を抱えてしまいます。

その結果、現金が底を突いてしまい破産法の申請となってしまったわけです。

蓄積されてきたダメージ

そもそも、金融危機以前に、ビッグスリーは問題を抱えていました。主な問題は以下の2点です。

  • 偏った販売車種
  • 高額な人件費

GMを例にして説明していきます。

偏った販売車種

アメリカと言えば「SUV」や「ピックアップトラック」のイメージが有りますよね。これはイメージではなく、実際にそうなんです。

GMは、SUVやピックアップトラックなど、大型で燃費の悪い車種を販売の軸とする経営を続けていました。まさにこれが問題だったのです。

なぜSUVなどを主軸にしたのか?それはSUVなどの車種は、利益率が高かったからです。原油価格が安かった1990年代は、消費者も購入を考える際に燃費性能は二の次だったので、販売は好調でした。

しかし、原油価格が高騰してきた2004年頃からは、燃費性能の良い小型車などのエコカーの人気が高くなっていきます。また、日本のエコカー・プリウスなどにもシェアを奪われ、GMの販売台数は下がっていきました。

つまり、金融危機以前からGMのキャッシュインは悪化していた事になります。

参考:米国企業が小型自動車を作って来なかった理由

高額な人件費

医療費

人件費の問題は「賃金」と「レガシーコスト(医療費と年金)」が挙げられます。

■賃金について
GMの賃金(約73ドル/時間)はアメリカの製造業の平均賃金(約31ドル/時間)の約2倍でした。これでは、キャッシュアウトが増えて経営を圧迫してしまいますよね。

■レガシーコストについて
レガシーコストは直訳すると「負の遺産」となりますが、企業経営では退職者に対して企業が負担する「年金や医療費」を意味します。

レガシーコストの負担が増大した原因は度重なるストライキに有ります。ストライキは労働者が労働条件を良くすべく労働を放棄して交渉する手段です。企業からするとその間製造・販売が停止するので収益になりません。そのため、要求に応じざるを得ないわけです。(応じない場合も有りますが。)

その結果、年金制度は充実し、退職者の家族分まで医療保険金を支払うなど、レガシーコストの債務が膨れ上がってしまったのです。

高額な人件費が財務を圧迫し、そして販売台数の低迷で収入も下がれば当然キャッシュフローは悪化します。

2005年は85億ドルの赤字、2006年は20億ドルの赤字でした。金融危機の前から経営は逼迫していたのです。そして、トドメを刺すように金融危機が発生し、破産となりました。

参考:ゼネラルモーターズ(GM)破綻後の動向

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