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少額資産

自動車は固定資産に該当するので、事業用として購入したとしても、原則として購入した年に一括で費用処理する事は出来ません。購入した車の耐用年数に従い、減価償却費として数年間にわたって経費処理していきます。

しかし、30万円未満の自動車であれば「購入した年度に全額費用処理することが出来る」ことを知っていますか?

上記の様に、通常の減価償却費と異なる処理が出来る場合として、以下の3パターンがあります。

  • 取得価額が10万円未満かつ使用可能年数が1年未満
  • 取得価額が20万円未満
  • 取得価額が30万円未満

以下で、順に詳しく見ていきましょう。

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取得価額が10万円未満かつ使用可能年数が1年未満

減価償却資産を購入したとしても、取得価額が10万円未満で使用可能期間が1年未満のものは、「少額の減価償却資産」として扱われ、購入時の経費とする事が出来ます(参考:国税庁

なお、この場合は減価償却をしている訳ではないので、「消耗品費」等の勘定科目を使用することになります。

また、適用出来る対象者に制限はなく、特段申告時に別表を添付することなども不要です。

取得価額が20万円未満

法人税法施行令第133条の2(個人の場合は所得税法施行令139条)により、取得価額が20万円未満の減価償却資産を取得した場合、各事業年度ごとに、その全部又は一部の合計額を一括し、3年間で償却する「一括償却資産の損金算入の規定」を選択することができます。

少額資産

一括償却資産として償却する場合、元々減価償却資産に設定された法定耐用年数は関係無く、一括して3年間で償却することとなります。

一括償却する場合の償却費の計算は、以下の計算式を使用します。

一括償却対象額×その事業年度の月数÷36=一括償却限度額


:3年間の償却中にもし対象の資産を売却したり廃棄したとしても、残額を一括で経費処理は出来ず、3年間の均等償却をし続けなければいけません。

なお、通常の減価償却と違って、一括償却資産の場合は月割り計算をしません。従って、何月に購入しても3分の1の金額が償却費となります。

また、一括償却資産の制度は適用対象者の制限は無いですが、個人事業主は青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に一括償却資産として記載し、法人は「別表16-6」に一括償却資産とした資産の内容や金額を記載する必要があります。

取得価額が30万円未満

取得価額が30万円未満の減価償却資産については、条件を満たせば租税特別措置法の規定により、取得価額に相当する金額を購入した年度の経費として処理することが認められます。

適用される租税特別措置法は、個人の場合と法人の場合で異なり、以下の様に特例の名称も微妙に異なります(内容は殆ど変わりありません)。

  • 個人・・・中小事業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例(第28条の2)
  • 法人・・・中小事業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(第67条の5)

名称を見て分かる様に、個人と法人の違いは中小事業者に「等」がつくかどうかと、「必要経費」か「損金」かの違いですね。

特例を利用出来る人

特例が適用出来るのは、「青色申告をしている中小企業者()または農業協同組合等」です。

:中小企業者とは、法人の場合は「資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人」「資本又は出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人」、個人事業主の場合は「常時使用する従業員の数が1,000人以下の方」を指しています。

なお、青色申告が条件となっているので、「白色申告」をしている方は特例適用は出来ません。

特例が適用出来る期間

この特例は、当初平成15年4月1日から平成18年3月31日までに取得した減価償却資産が対象となっていましたが、税制改正の都度期間が延長されており、現在の法令上は平成28年3月31日までに取得した減価償却資産が対象となっています。

特例の適用が出来る金額

この特例は、1年間の間にいくらでも適用出来るという訳ではありません。適用出来るのは、少額減価償却資産の取得価額合計で300万円までとされています。300万円を超えた場合は、300万円に達するまでの取得資産について適用する事が出来ます。

例えば、22万円のパソコンを15個購入した場合、13個目で286万円、14個目で308万円となるので、13個目まで特例適用可能です。残りの2個については通常の減価償却をすることになります。

一括償却資産

なお、業務開始した年や業務廃止の年の場合は注意が必要です。これらの場合は、300万円まで特例を適用出来ず、300万円を12で割り、業務を営んでいた月数を掛けた金額が上限となります(1ヶ月未満の端数は切上)。

例えば、3月4日に開業した個人事業主の場合は3〜12月の10ヶ月となるので、
250万円(=300万円÷12×10ヶ月)まで少額減価償却資産として扱うことが出来ます。

適用を受ける方法

特例により取得価額を全額経費とするには、法人の場合は帳簿上全額損金処理した上で、「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書(別表16-7)」及び「適用額明細書」を確定申告書に添付する必要があります。

一方、個人事業主の場合は、青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に以下の3つを国税庁の記載例に従って記載・提出した上で、少額減価償却資産の取得価額の明細を別途保管することで適用が受けられます。

  • 少額減価償却資産の取得価額の合計額
  • 少額減価償却資産について租税特別措置法第28条の2を適用する旨
  • 少額減価償却資産の取得価額の明細を別途保管している旨

仕訳例

ここでは、上述した3つの方法を利用する場合の仕訳例を紹介します(具体的な数値は省略します)。一般的な車関連の仕訳は下記記事も参考にして下さい。

車両購入時の仕訳【法人の場合・個人事業主の場合両方解説】
自動車の減価償却の計算方法や仕訳の仕方

10万円未満の資産を取得した場合

10万円未満の資産の場合は、取得時の経費とする事が出来るので、以下の様な仕訳となります。

借方金額貸方金額
消耗品費××現預金××

一括償却資産の場合

一括償却資産については、購入時に一括償却資産と計上した上で、決算時に減価償却費として計上することになります。

購入時は、

借方金額貸方金額
一括償却資産××現預金××

決算時は、

借方金額貸方金額
減価償却費××一括償却資産××
となります。

少額減価償却資産の場合

少額減価償却資産の場合、購入時は通常の減価償却と同様の仕訳となり、決算時の仕訳も通常の減価償却と同様です。但し、減価償却の金額は取得価額と同じ金額となります。

購入時は、

借方金額貸方金額
車両運搬具××現預金××

決算時は、

借方金額貸方金額
減価償却費××車両運搬具××
となります。

特例適用と消費税

上述した金額の判定に使う取得価額は、以下の国税庁の個別通達(消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて)に記載されている通り、消費税の処理方法によって異なります。

令第133条((少額の減価償却資産の取得価額の損金算入))、令第133条の2((一括償却資産の損金算入))又は令第134条((繰延資産となる費用のうち少額のものの損金算入))の規定を適用する場合において、これらの規定における金額基準を満たしているかどうかは、法人が適用している税抜経理方式又は税込経理方式に応じ、その適用している方式により算定した価額により判定する。

消費税

つまり、「税抜経理処理をしている場合は、税抜の取得価額で判断し、税込経理処理をしている場合は、税込の取得価額で判断しましょう」ということです。

「取得価額が30万円未満」の場合を考えてみると、税込処理の方は税込30万円までの資産について特例の適用が可能ですが、税抜処理の方は税抜30万円(消費税が8%であれば税込32万4千円)までの資産について特例の適用が可能ということです。

この特例だけを考えるのであれば、税抜処理をしている方の方がお得ということになりますね。

まとめ

通常の減価償却とは違った処理をする3つの方法を紹介してきましたが、一覧にした方が分かり易いと思うので、以下で表にしてみましょう。

 費用処理一括償却資産少額減価償却資産固定資産
10万円未満
10〜20万円未満×
20〜20万円未満××
30万円以上×××

:それぞれの処理方法の意味は以下の通り。
「費用処理」は、消耗品等として取得時の費用として処理
「一括償却資産」は一括償却資産として3年間で償却処理
「少額減価償却資産」は少額減価償却資産として取得価額を取得した年度の費用として処理(中小企業者のみ)
「固定資産」は固定資産として資産計上し通常の方法により減価償却処理

上記の説明は一般的な解説となります。個別具体的な内容や事例については税務署や税理士に相談する様にして下さいね。

また、タイトルには「中古車」と書いていますが、30万円未満であるかぎり「新車」でも一括償却等の対象になります。現実的に考えると30万円未満の新車は有りませんが。

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