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軽自動車

軽自動車

最近は、軽自動車人気が高く、新車販売台数のトップテンのうち実に6車種()が軽自動車で、販売台数全体の4割程度を占めるにまで至っています(参考記事:新車販売台数ランキング【車種別-2015年版】

:トップテンにランクインした軽自動車は「N-BOX・タント・デイズ・ムーブ・アルト・ワゴンR」です。

しかし、そんな中で「軽自動車は耐久性が低いから事故を起こした時が怖い」といった意見を耳にする事がよく有ります。軽自動車は人気が有るだけに、こういった話はとても気になりますよね。実際のところ、軽自動車の安全性は本当に低いのでしょうか?以下で見ていきましょう。

新・安全性能総合評価とは?

日本で発売されている車のうち、「自動車の安全性能に関する評価等に関する規定」により評価対象として選出された車種は、安全性能総合評価を受ける事になっています。

注意:販売台数が多い車種で、過去に評価されていないものが主に評価対象とされる様です。全ての車種が評価対象となる訳では有りません。

安全性能評価

実際の試験は、独立行政法人自動車事故対策機構(以下、NASVA)が行っており、評価結果は1〜5つ星で決まります。つまり、自動車メーカーが独自にテストをして、勝手に「うちの車は安全です!」と言っている訳ではないという事ですね。

参考:平成22年度までは、運転席及び助手席の安全性能評価をして、結果を1〜6つ星で公表していました。

平成23年度以降実施されている「新・安全性能総合評価」では、以下の評価を合計208点満点で行います。

  • 乗員保護性能評価(100点満点)
  • 歩行者保護性能評価(100点満点)
  • シートベルトリマインダー評価(8点満点)

上記の評価の結果、以下の様に点数毎に☆の数が決まります。

点数評価
110.0点未満
110.0点以上130.0点未満☆☆
130.0点以上150.0点未満☆☆☆
150.0点以上170.0点未満☆☆☆☆
170.0点以上☆☆☆☆☆

参考:最高ランクの5つ星を獲得する為には、点数だけでなく、それぞれの追突試験及び歩行者頭部保護試験でレベル4以上、歩行脚部保護試験でレベル3以上を獲得しておく必要が有ります。

以下で、各評価の内容を見ていきましょう。

乗員保護性能評価

乗員保護性能評価は、以下の4試験から構成されています。

  • フルフラップ前面衝突試験
  • オフセット前面衝突試験
  • 側面衝突試験
  • 後面衝突頸部保護性能試験
  • 参考:オフセット前面衝突試験と後面衝突頸部保護性能試験は、平成21年度から導入されています。


以下で、1つずつ簡単に内容を見ていきましょう。

フルフラップ前面衝突試験

フルラップ全面衝突試験

(画像参照元:JNCAP

フルフラップ前面衝突試験は、運転席と助手席にダミー人形()を乗せて、時速55キロで走行し、前面に有るコンクリート製の壁に衝突させます。そして、衝突時のダミー人形への影響(頭部や頸部、胸部、下肢部など)や車内の変形状況によって保護性能を5段階で評価します。

:「ハイブリッドⅢ」と呼ばれるダミー人形(身長175cm・体重約78kgの成人男性を想定)が使われています。

他の試験も同様ですが、実際には、衝突事故の多くは時速55km以下で起きています。従って、基本的にフルフラップの結果は参考になるのですが、速度が非常に速い状態で衝突したり、シートベルトをしていなかったり、衝突した相手が大きなトラックだったという様な場合は、評価結果は当てはまりません。

参考:フルフラップの評価結果は、車の質量が同程度の場合に限り他の車種との比較が可能です。

オフセット前面衝突試験

オフセット前面衝突試験

(画像参照元:JNCAP

オフセット前面衝突試験は、運転席と後部座席にダミー人形()を乗せて時速64kmで走行し、前面に有るアルミハニカムに車体前面の40%部分(オーバーラップ率40%と言います)を衝突させます。

:運転席はフルラップと同じタイプのダミー人形ですが、後部座席にはハイブリッドⅢの女性版(身長150cm・体重約49kgの成人女性を想定)がしようされています。

そして、フルフラップ同様に、ダミー人形や車内への影響によって保護性能を5段階で評価します。

側面衝突試験

側面衝突試験

(画像参照元:JNCAP

側面衝突試験は、運転席にダミー人形()を乗せて止まった状態で、運転席側から重さ950kgの台車を時速55kmで衝突させます。そして、衝突時のダミー人形への影響によって乗員保護性能を5段階で評価します。なお、台車の衝突部分には、一般的な乗用車と同じ様な固さのアルミハニカムの衝撃吸収部材が付いています。

:ユーロSID-2と呼ばれるダミニー人形(身長170cm・体重約72kgの成人男性を想定)を使用して行われます。

平成20年度からは、サイドカーテンエアバッグが付いた車両の評価(展開状況や展開範囲)も実施されています。

後面衝突頸部保護性能試験

後面衝突頸部保護性能試験

(画像参照元:JNCAP

後面衝突頸部保護性能試験は、「同一の質量の車が、前に止まっている車に時速約32kmで衝突した」という状況を、後面衝突を再現する試験機により再現し、衝突時のダミー人形()の頸部への影響によって、頸部保護性能を4段階で評価します。

:「BioRIDⅡ」という後面衝突試験専用のダミー人形(身長175cm・体重約78kgの成人男性を想定)を使用しています。

歩行者保護性能評価

歩行者保護性能評価は、交通事故に遭った歩行者の被害をどれくらい和らげる事が出来るのかを評価する試験で、以下の2つに分かれます。

  • 歩行者頭部保護性能試験
  • 歩行者脚部保護性能試験

歩行者頭部保護性能試験

歩行者頭部保護性能試験は、自動車が歩行者をはねて、歩行者の頭部がボンネットやフロントガラス等に当たった事を想定して、頭部への影響を測定する試験です。

試験は、人間の頭部に見立てた頭部インパクタ()を、試験機から時速35kmで発射し、頭部インパクタが受ける衝撃を測定します。

:大人用は直径165mm・質量4.5kg、子供用は直径165mm・質量3.5kgとなっています。

歩行者脚部保護性能試験

歩行者の事故

歩行者脚部保護性能試験は、自動車が走行中に歩行者に衝突した際の歩行者の膝部や脛部への影響を測定し評価する試験です。

成人男性の脚部を想定したダミー人形(脚部インパクタFLEX-PLI)を、試験車のバンパーに時速40kmで発射して傷害値を測定し、結果を4段階で評価します。なお、結果の数値が高いほど、保護性能が高い事を意味しています。

シートベルトリマインダー評価

シートベルトリマインダー(PSBR)評価は、運転手以外の方のシートベルト着用率を高める為に、他の座席の方がシートベルトを付けていない場合の、警報機能の装備状況を評価するものです。

「人が乗っているのにシートベルトが付いていない座席」を認識し、ランプや音によって警報が鳴るか、運転手以外の乗員から警報が確認出来るか、などにより5段階で評価します。

乗用車も軽自動車も試験は同じ!

上記で紹介した安全性能の評価テストは、軽自動車や乗用車といった区分は無いので、同じ条件下でテストされます。従って、軽自動車も普通車と同じ衝突試験をクリアしていると言えます。

但し、同じ衝突試験をクリアし☆の数も同じだったからといって、安全性も同じとは言い切れません。

交通事故

なぜなら、フルフラップ衝突試験やオフセット衝突試験は、壁に車を衝突させるからです。少し物理の話になってしまいますが、車の重量が軽ければ軽い程、車の運動エネルギーは小さくなるので、ボディが弱かったとしても良い結果が出る傾向に有るのです。

参考:後面衝突も、車重が軽ければテスト上の被害は少なくなると考えられるので、軽自動車に有利な結果となると考えられます。

つまり、実際の事故時は、正面から壁に突っ込む様な事故であれば、軽自動車・普通車共に同じ様な破損の仕方をするでしょうが、動いている車同士が正面衝突する様な事故の場合、ボディが弱い軽自動車の方が破損の程度は酷くなると考えられます。

側面衝突テストについては、車の停止中に台車を横からぶつけるものなので、軽自動車でも普通車でも公正な結果が期待出来ます。

とは言っても、正面衝突等による交通事故は全体の3%程度しか発生していません。従って、「正面衝突に弱いから軽自動車を買わない」と考える必要はないかもしれないですね。(参照元:警視庁交通局「平成27年における交通事故の発生状況」)

NASVAの安全性評価性能試験結果から見る軽自動車の安全性

評価結果

ここでは、NASVAの実施している安全性評価性能試験の結果を簡単に見てみましょう。軽自動車・乗用車毎に、過去3年の間に評価対象となった車種数と、5つ星を取った車種数、5つ星の割合をまとめてみました。

□乗用車の試験結果概要

 2013年度2014年度2015年度
5つ星を獲得した乗用車数(①)6105
評価対象の乗用車数(②)10118
5つ星の割合(①÷②)60%91%63%

□軽自動車の試験結果概要

 2013年度2014年度2015年度
5つ星を獲得した軽自動車数(③)100
評価対象の軽自動車数(④)623
5つ星の割合(③÷④)17%0%0%

過去3年の評価結果を見てみると、2015年度は5つ星を獲得した軽自動車はなく、ダイハツのムーブカスタム、スズキのアルト、スズキのアルトラパンの何れも4つ星となっています。2014年度も5つ星はなく、軽自動車では2013年度にホンダのN-WGNが初めて5つ星を獲得しています。

一方、乗用車は過去3年間で評価対象となった車種のうち、60%以上が5つ星となっています。

そもそも、評価対象車となっている数が軽自動車の方が少ないので、断定することは出来ませんが、軽自動車は4つ星止まりが多く、☆の数で考えると“軽自動車の安全性性能は乗用車に一歩及ばず”といった感じですね。

まとめ~軽自動車だからといって安全性が低いわけではない!

愛車

いかがでしたか?自動車の安全性評価は軽自動車も乗用車も同じ試験が行われており、軽自動車だからという理由だけで安全性が低い、という事にはならない事が分かりましたね。とはいえ、評価結果を見る限り、乗用車の方が安全性能は高い事も否めません。

但し、大型トラックに正面から衝突したり高速で壁にぶつかったりすると、いくら安全性が高いと評価された車に乗っていたとしても、死亡事故になる可能性が高いです。

結局のところ、安全性で車を選ぶというよりは、どんな車に乗ってもシートベルトをしっかりと着用し、安全運転に心がける事が重要という事ですね。

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