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ハイブリッド車

ハイブリッド(hybrid)という単語には、「異なる物を混ぜ合わせる、雑種」などの意味が有ります。自動車業界では「ハイブリッド車」という風に用いられ、基本的にガソリンエンジンと電気モーターの2つの動力源を持つ自動車の事を指します。

代表的な車種と言えば、プリウスやアクア、フィットハイブリッドなどです。

車に搭載されているハイブリッドシステムは主に3種類有り、メーカー・車種によって多少の違いは有りますが、「環境性能の向上」といった特徴は共通しています。

【具体例】プリウスの場合

プリウスのハイブリッドシステムは「シリーズ・パラレルハイブリッド方式」を採用していて、発進時や低速時には電気モーターの動力のみで走り、加速していくとガソリンエンジンも稼働します。

また、電気モーターは動力を生み出すだけでなく、減速時に回生ブレーキシステムによって自ら電力を発電しバッテリーに充電します。

このようなシステムによって、プリウスはガソリンの消費を抑え、効率良く電力を作り環境性能を向上させています。

プリウスを例に挙げましたが、基本的にどのハイブリッド車も「環境性能の向上」というメリットが有るのはさきほども言った通りです。その他にもハイブリッド車にはメリットが有ります。しかし、メリットばかりでは有りません。

ハイブリッド車は人気が高いです。それ故、メリットばかりに注目が集まりがちです。ハイブリッド車を購入する前に、そのメリットとデメリットを両方とも抑えておきましょう。

ハイブリッド車のメリット

ハイブリッド車の主なメリットは以下の3つです。

  • 燃費性能が良い
  • 環境に優しい
  • 静粛性が高い 等

燃費性能が良い

冒頭で紹介したように、ハイブリッド車は電気モーター自らが生み出した動力を利用するため、ガソリンの消費を抑える事が出来ます。そのため、燃費性能は抜群に良いです。これはハイブリッド車の最大のメリットと言えます。

ハイブリッド車

国産普通車を燃費の良い順に並べると、ハイブリッド車が上位を占めます。ちなみに、2016年4月時点で最も燃費の良いハイブリッド車はトヨタの新型プリウスです。その燃費は40.8km/Lと驚異的な数値となっています(参考:燃費のいい車ランキング【国産普通車編】)。

ただし、軽自動車も含めると、燃費ランキング上位はハイブリッド車と軽自動車が肩を並べる事になります。

燃費の良い軽自動車ランキング

なお、高速走行時の燃費は、ガソリンエンジンが稼働するため少し悪くなります。高速道路を多用する人はややメリットが薄まってしまうでしょう。それでも燃費が良い事に変わり有りませんけどね。

環境に優しい

ガソリンエンジンはガソリンを燃焼し動力を得ます。その(負の)副産物としてNOx(窒素酸化物)やCO(一酸化炭素)などの有害な排出ガスを発生させてしまいます。

もちろんハイブリッド車もガソリンエンジンを搭載しているので、有害な排出ガスを発生させます。しかし、モーターを併用するので、ガソリンエンジン車と比べると排出ガスの量を減少させる事が出来ます。

完全にクリーンな車では有りませんが、環境への負荷を軽減出来る事は間違い有りません。

環境性能

その環境性能とさきほど紹介した燃費性能によって、ハイブリッド車は税金面でも優遇を受ける事が出来ます。それがエコカー減税です。ほとんどのハイブリッド車が自動車取得税自動車重量税で免税又は高い減税率を獲得しています。

さらに、自動車税もグリーン化税制によって優遇を受ける事が出来ます。

静粛性が高い

ハイブリッド車は、発進時や低速時にはモーターの動力のみで走行します。ガソリンエンジン車特有のエンジンが回転数を上げていく音が一切無いんです。「スーッ」と走り出すので本当に静かです。

もちろん、ある程度の速度域に到達すると、ガソリンエンジンも稼働し始めるので、モーターのみで走行している時と比較すると静粛性は悪くなります。しかし、新モデルのハイブリッド車ほど、車内の静粛性は高くなっています。エンジン音もほとんど車内に入ってきません。

ガソリンエンジン車からの乗り換えた人なら、その静粛性にかなり驚くはずです。1度試乗して体感してみてはいかがでしょうか?

ハイブリッド車のデメリット

ハイブリッド車の主なデメリットは以下の4つです。

  • 車両価格が高い
  • バッテリー交換費用が高い
  • 点検・整備には専門の知識が必要な場合が有る
  • 静寂性が高い故に危険もはらむ 等

車両価格が高い

同モデルで車両価格を比較すると、基本的にハイブリッド搭載車の価格の方がガソリンエンジン搭載車の価格より高く設定されています。

例えば、クラウンアスリートのグレードG(4WD)で比較してみると、ハイブリッド車の新車価格は「5,986,000円~」、ガソリン車の新車価格は「5,467,000円~」となっていて、約50万円も高く設定されています。

この価格差をエコカー減税やグリーン化特例、燃費の差で埋められなければ、ハイブリッド車を買った方が損をする事になってしまいます。

車両価格

では、引き続きクラウンアスリート(グレードGの4WD)の場合でハイブリッド車(21.0km/L)とガソリン車(10.2km/L)の価格差(約50万円)を埋める為にどれだけの期間を要するのかを、一定の条件の元で計算してみましょう。

条件は、年間走行距離1万km、ガソリン価格120円/Lです。

年数エコカー減税燃費価格差
購入時約18万円-△約32万円
1年後約3万円約6万円△約23万円
2年後-約6万円△約17万円
3年後約3万円約6万円△約8万円
4年後-約6万円△約2万円
5年後-約6万円約4万円

エコカー減税について:クラウンアスリートのグレードG(4WD)のガソリン車はエコカー減税等の対象外です。一方、ハイブリッド車はエコカー減税等の対象となっていて、購入時に自動車取得税と自動車重量税が約18万円免税されます。そして、翌年に自動車税が約3万円減税されます。また、3年後の車検時に自動車重量税が約3万円免税されます。

燃費について:ハイブリッド車は年間に必要なガソリンの量が約476L(1万km÷21km/L)、年間のガソリン代が約6万円(476L×120円/L)です。一方、ガソリン車は年間に必要なガソリンの量が約980L(1万km÷10.2km/L)、年間のガソリン代が約12万円(980L×120円/L)です。ハイブリッド車の方が約6万円/年お得になります。

このように50万円有った車両価格の差は、購入時に約18万円のエコカー減税によって32万円となります。以後、エコカー減税と燃費によって差が縮まり、5年後に車両価格の差が埋まります(約4.3年後に差が0円になります)。この条件下では、5年以上乗り続けるならハイブリッド車を購入した方がお得です。

ガソリン

基本的に、車両価格の差は燃費性能の差によって埋める事になります。そのため、年間走行距離が長ければ長いほど、短期間で価格差を埋める事が出来ます。しかし、走行距離が短ければ、なかなか元を取る事は出来ません。単純に年間走行距離が5,000kmの人なら、価格差を埋めるまでに約8.6年かかる事になります。

ハイブリッド車を購入する時は、ハイブリッド車とガソリン車の価格差とご自身の年間走行距離を基に何年で元を取れるのかをシュミレーションした方が良いでしょう。

また、年間走行距離が短い人は、無理してハイブリッド車を購入するのではなく、1ランク下のガソリン車を購入した方が経済的な選択になると思います。

バッテリー交換費用が高い

一般的に、ハイブリッド車の駆動用バッテリーの交換費用は高いです。車種にもよりますがおおよそ15万円前後です(年々価格は安くなっています)。故障した場合はメーカー保証期間なら無料で修理・交換する事が出来ますが、経年劣化や寿命により交換が必要になった場合は実費になります。

バッテリー

では、駆動用のバッテリーの寿命はどれくらいなのか?これについてよく言われるのが「5年又は10万kmが寿命」という内容です。おそらくメーカーの保証期間を当てはめただけなので、信じるに値しません。

実際の寿命は一概には言えないのですが、5年又は10万kmでバッテリーが寿命を迎えて交換したオーナーは少ないです。なので、あまり駆動用バッテリーの寿命を意識する必要は無いかもしれません。

ただし、駆動用バッテリーは時間の経過と共に劣化していきます。動力を生み出すパワーや発電パワーが弱くなっていき、燃費の悪化に繋がります。

車をよく利用する人は、燃費の悪化はガソリン代を直撃するので早めに交換した方が良いかもしれません。逆に、車の利用頻度が少ない人は、燃費が悪化してもそこまでガソリン代に影響は無いので、交換せずに乗り続けた方が良いかもしれません。結局、劣化によるバッテリー交換はオーナーの判断次第です。

燃費は徐々に悪化していくので判断が難しいですが、「バッテリーの交換費用」と「ガソリン代の増加額」を天秤にかけて判断するようにして下さいね。

なお、ハイブリッド車を中古車で購入する場合はバッテリーの状態はしっかりとチェックしましょう。購入後にすぐにバッテリー交換となったらかなりの痛手になりますからね。中古のハイブリッド車を購入する際の注意点は以下の記事を参考にして下さい。

中古車でハイブリッド車を購入するリスク・注意点

点検・整備には専門の知識が必要な場合が有る

ガソリン車とは違い、ハイブリッド車は特殊なシステムが採用されている事があり、車種によっては点検・整備にハイブリッド車の専門的な知識が必要な場合が有ります。そのため「ディーラー以外の整備工場では点検・整備を受けられない」というデメリットが有ります。

例えば、プリウスのブレーキフルードの交換には、特殊な機械を用いるか専用のマニュアルに従って作業しなければなりません。マニュアルの講習を受けている整備工場なら作業が可能ですが、受けていない工場ではおそらく無理でしょう。

このようにハイブリッド車の点検・整備には特殊な機械や知識が必要な場合が有り、整備工場ならどこでも良いというわけにはいきません。

整備

また、メーカー保証を受ける条件に「メーカーが指定する点検・整備の実施」と規定されている場合がほとんどです。点検費用を安く済ませるために知り合いの整備工場に依頼して、いざ保証を使う際に拒否される恐れも有ります。

メーカー保証の観点からは、整備・点検はディーラーに任せた方が無難かもしれませんね。

静粛性が高い故に危険もはらむ

「静粛性の高さ」はハイブリッド車のメリットです。しかし、時としてデメリットに転じる事が有ります。

人と車

歩行者は車の接近をどのように認識するでしょうか?大部分は視覚です。前方から接近する車は当然目で認識するでしょうし、夜間に後ろから接近してくる車もライトの光を見て認識するでしょう。

そして、車を認識するために用いているもう一つの五感が「聴覚」です。車のエンジン音が大きくなってきたら、目で見なくても車が接近してきている事に気付きますよね。特に視界の外から接近してくる車の認識には聴覚に大きく頼る事になります。

何が言いたいか?と言うと、歩行者からすると静粛性の高いハイブリッドカーは非常に認識しずらい車だという事です。発進時や低速走行時は特にそうです。モーターだけで動いているので、歩行者はエンジン音で車の接近を認識する事が出来ません。

そのため、車が近くにいないと思い込み、後ろを確認せずに横断歩道を渡るかもしれませんし、歩行者同士が道を譲るために車道にちょっと出てくるかもしれません。

このようにハイブリッド車は静粛性が高いが故に歩行者との事故を起こす可能性が高くなってしまいます。

事故

これを踏まえて国土交通省はハイブリッド車の静粛性の対策として「車両接近通報装置」を義務化する方針を発表しました。2018年頃にモーターを用いる車に適用する方向で進めていくようです。

ちなみに、車両接近通報装置は2010年から販売・取り付けが任意で行われています。少しでも事故のリスクを減らしたい人は、車両接近通報装置を取り付けてみてはいかがでしょうか?参考としてトヨタの車両接近通報装置の音が聞けるリンクを下記に貼っておきます。

トヨタの車両接近通報装置

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