モータースポーツの最高峰であるF1。そのF1のドライバーであるF1レーサーは、名前だけでもカッコイイですよね。車好きの方であれば、一度は「自分もF1レーサーになってみたい!」と夢見た事も有るのではないでしょうか?
この記事では、どうすればF1レーサーになれるのか?また、F1レーサーになれた場合、年収はどれくらい貰えるのかについて解説していきます。
F1とは?
F1は正式には「Formula1」と言い、自動車レースの規格の事を指します。よく耳にするF1グランプリは、国際自動車連盟(FIA)主催でF1の規定により開催される世界選手権の事です。つまり、F1レーサーとはこのFormula1という規格で行われるレースに出るドライバーの事ですね。
参考:第1回のF1選手権は、1950年5月にイギリスのシルバーストーンで開催されました。
F1レーサーは非常に狭き門です。現在のルールでは、1度に走る事が出来るのは最大で12チーム24名までなので、レギュラーのレーサーは多くても世界にたったの24人しかいない、という事です。
ちなみに、日本人で過去にF1レーサーとなった方は、以下の通りです。
小林可夢偉 | 佐藤琢磨 | 中嶋一貴 | 山本左近 |
鈴木亜久里 | 井出有治 | 片山右京 | 中野信治 |
中嶋悟 | 高木虎之介 | 井上隆智穂 | 鈴木利男 |
服部尚貴 | 野田英樹 | 高橋国光 | 鮒子田寛 |
星野一義 | 高原敬武 | 長谷見昌弘 |
日本から登場したF1レーサーは過去に19人しかいません。それだけなるのが難しいという事ですね。
なお、F1は世界各地で行われますが、日本GPに限っては母国開催の為、下位チームのレーサーに声がかかる事が有る様で、お金を払って出場させてもらうというケースが有る様です。
F1レーサーに必要なライセンス
レース競技は、F1に限らずライセンスが無いと出場する事が出来ません。ライセンスは国内ライセンスと国際ライセンスに分かれており、その中でも細かく分かれています(関連記事:モータースポーツのライセンス制度の仕組みや取得方法・出場できるレースのまとめ)
そして、F1レーサーになるにはFIAが発行する「スーパーライセンス ※」が必要です。このライセンスを取得するには、国際A級ライセンスを入手した上で、さらに以下の条件のいずれか1つ以上クリアする必要が有ります。
※:スーパーライセンスには、「ドライバー」の他に「チーム」「オフィシャル」の計3種類が有ります。
・前年のF1シリーズ戦で決勝に5戦以上出場、若しくは過去3年で決勝出場回数が15回以上。
・過去にスーパーライセンスを取得した経験が有り、前年にF1チームでテストドライバーをしていた。
・過去2年の間に、GP2メインシリーズ、GP2アジアシリーズ、スーパーフォーミュラ、F2、F3インターナショナルトロフィーのシリーズランキングで3位以内に入賞した
・フォーミュラ(ルノー3.5)、F3ユーロシリーズ、若しくはイギリス・イタリア・スペイン・日本でF3のチャンピオン獲得者(有効なのは、シリーズ年の最終戦から12ヶ月以内)
・上記の何れにも該当しない方で、1人乗りフォーミュララカーで突出した能力が有るとFIAに判断された方(※)
※:申請日の90日前までに、現行のF1車両で一貫したレーシングスピードで最低300kmを最大2日間で走行し、テストを実施した国のASN(自動車連盟)の証明が必要。
つまり、国際レースで優秀な成績を納めつつ、スーパーライセンスも取得しなければならない、という事ですね。なお、国内A級ライセンスを取って年に5回以上決勝で完走すれば「国際Cライセンス」に挑戦する事が出来ます。それ以降は、実績を積んで上位のライセンス試験に合格していく事になります。
日本人がF1レーサーになるには?
F1レーサーになるには、上記の様にスーパーライセンスが必要ですが、その道のりは決して楽なものでは有りません。日本人がF1レーサーになるには、一般的に以下の2つの方法が有ります。
- スポンサーを見つける
- レーシングスクールに通う
まず、幼稚園や小学生の頃からレーシングカートを始めて、そこで優秀な成績を残してスポンサーを見つけ、レースの参加費用等のサポートを受けてライセンス取得を目指す方法が有ります。
もう1つは、レーシングスクールに通って優秀な成績を残して資金援助をしてもらい、レースに参加してライセンス取得を目指す方法です。なお、小さい頃からカートに乗っていて、高校を卒業した頃からレーシングスクールに通うという方もいる様です。
F1レーサーの年収は?
上で説明した様にF1レーサーは、ごく限られた人しかなる事が出来ない職業です。それ故、年収も良さそうな感じがしますよね、実際のところ、どれくらい貰っているのでしょうか?
2016年のF1レーサーの年棒を「Business Book GP」で見てみると、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが年俸5,000万ドル+ボーナス(50数億円!)でトップとなっています。一方で、一番年俸が低いレーサーはザウバーのマーカス・エリクソンですが、それでも45万ドル(5千万円程度)となっています。トップと最下位の方の年俸を比べるとかなり大きな差が有りますが、最下位でも一般の人と比べるとかなり貰っていますね。
参考:過去には、ミハエル・シューマッハがフェラーリに所属していた頃に、年俸約60億にスポンサー料を合わせて年間200億円程度貰っていた事も有ります。
F1レーサーはなるのが非常に難しいですし危険なスポーツなので、それに見合った報酬が貰えるという訳ですね。
まとめ
いかがでしたか?F1レーサーはなるのがとても難しいですが、なった暁には最高の栄誉と超高額な報酬が待っています。F1レーサーになるには小さい頃から厳しい特訓が必要ですが、頑張る価値は充分に有りますね!