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減価償却費

自動車を購入したときの会計処理は複雑で、つい頭を悩ましてしまうものですよね。減価償却の計算もしなくてはいけないので、しっかりと計算方法や仕訳を知っておく必要があります。

ここでは、自動車を購入した時の「減価償却」に焦点を当てて解説をしていきます。

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法定の償却方法

固定資産の減価償却の計算方法は主として「定額法」「定率法」が有り、減価償却資産の種類ごとに減価償却方法を選ぶ事が出来ます。そして、償却方法を自主的に選んだ場合には所轄の税務署に届け出る必要が有ります。

減価償却費

届け出をしなかった場合、「法定の償却方法」で減価償却をすることになります(税務署に届け出る方は少ないので、こちらの方法が採用されている方が殆どです)。

自動車に関する法定の償却方法は、以下の通りです。

  • 法人・・・定率法
  • 個人・・・定額法

:平成19年3月31日以前に取得した車については、法人は「旧定率法」個人は「旧定額法」が法定の償却方法となります。(参考:国税庁

減価償却の計算方法

減価償却費は、以下の計算式によって算出します。

定額法の場合

定額法の場合、減価償却費は以下の計算式によって計算されます。

取得価額×定額法の償却率

自動車の耐用年数とそれに対する減価償却率

また、後述する定率法の場合も同じですが、「期中に自動車を取得した場合」は減価償却費を月割計算をする必要があり、「事業の用に供し始めた月」から事業年度末までの月までの分が減価償却費となります。

例えば、12月決算の会社が7月20日に新しく自動車を事業の用に供した場合、事業年度末まで6ヶ月あるので、上記の計算式の計算結果に「×6ヶ月÷12ヶ月」を付け加える必要があります。

ちなみに、減価償却は帳簿価額が1円となるまで続ける事が出来ます(平成19年度の税制改正により導入された方法で、以前は異なる方法でした)。

定率法の場合

定率法の場合、減価償却費は以下の計算式によって計算されます。

未償却残高(取得価額-期首までの償却累計額)×定率法の償却率

自動車の耐用年数とそれに対する減価償却率

なお、少しややこしいですが税務上、定率法には以下のもう1つの計算式があり、状況に応じて使い分ける必要があります。

改定取得価額×改定償却率


この算式は、「調整前償却額が償却保証額に満たない場合」に、以降の年度で使用することになります。

■簡単な用語説明

用語説明
調整前償却額
「未償却残高×定率法の償却率」の別名
償却保証額
取得価額×保証率(耐用年数省令別表第9・10で規定されています。)
改定取得価額
調整前償却額が最初に償却保証額に満たなくなる年度の期首の未償却残高
改定償却率
耐用年数省令別表第9・10に規定されています。

また、定率法の計算方法は、平成23年12月の税制改正により、平成24年4月1日以降に取得した減価償却資産について「200%定率法」という方法が導入されています(償却率等が変更されただけで、計算方法は変わっていません)。

1円未満の端数処理

減価償却計算の結果、1円未満の端数が生じた場合は切上げするのでしょうか?それとも切捨てでしょうか?この点について、明確な決まりがある訳ではありません。

しかし、国税庁としては「所得税の場合は端数切上げ」を基本としています(参考:国税庁)。一方で、法人税の減価償却の場合は特に何も定めがありません。

ちなみに、以下の計算例では端数は切捨てしています。

減価償却の仕訳方法

減価償却の仕訳には、資産として計上された「車両運搬具」の金額を直接減額するかどうかによって、以下の2つの方法に分かれます。

  • 直接法・・・「車両運搬具」の金額を直接減額する
  • 間接法・・・「車両運搬具」の金額を減額せずに、「減価償却累計額」を使用する

なお、どちらの方法を採用したとしても損益に与える影響は変わりません。

自動車

では、それぞれの方法によって減価償却をした場合の仕訳を見ていきましょう。減価償却計算は以下の前提条件で行っていきます。

前提条件

・車両の取得価額:1,500,000円
・耐用年数:6年
・決算日:12月31日
・事業の用に供した日:平成26年8月5日
・償却率:0.167(定額法)0.417(定率法)
・途中で売却はしない
・改定償却率0.334
・保証率0.09911

定額法の場合(直接法)

まずは、定額法によって減価償却費を計算した場合の仕訳を見ていきましょう。

購入した年度の仕訳

事業の用に供し始めた年度は月割り計算となるので、減価償却費は、「1,500,000円×0.167×5÷12=104,375円」となります。

借方金額貸方金額
減価償却費104,375車両運搬具104,375

2年目〜6年目の仕訳

翌年以降は、12ヶ月分の減価償却となるので、減価償却費は、「1,500,000円×0.167=250,500円」となります。

借方金額貸方金額
減価償却費250,500車両運搬具250,500

最終年度の仕訳

事業の用に供してから6年(72ヶ月)が経過する年度は、帳簿価額が1円(備忘価額といいます)になるまでの金額を減価償却費とすることになります。

従って、減価償却費は「1,500,000円-(104,375円+250,500円×5+1)=143,124円」となります。

借方金額貸方金額
減価償却費143,124車両運搬具143,124

定率法の場合(直接法)

次に、定率法によって減価償却費を計算した場合の仕訳を見ていきましょう。

購入した年度の仕訳

事業の用に供し始めた年度は月割り計算となるので、減価償却費は、「1,500,000円×0.333×5÷12=208,125円」となります。

借方金額貸方金額
減価償却費208,125車両運搬具208,125

2年目の仕訳

2年目以降は期首時点の未償却残高に償却率を掛けることで減価償却費が算出出来ます。

従って、2年目の減価償却費は「(1,500,000円-208,125円)×0.333=430,194円」となります。なお、減価償却累計額は638,319円です。

借方金額貸方金額
減価償却費430,194車両運搬具430,194

3年目の仕訳

3年目の減価償却費は「(1,500,000円-638,319円)×0.333=286,939円」となります。なお、減価償却累計額は925,258円です。

借方金額貸方金額
減価償却費286,939車両運搬具286,939

4年目の仕訳

3年目の減価償却費は「(1,500,000円-925,258円)×0.333=191,389円」となります。なお、減価償却累計額は1,116,647円です。

借方金額貸方金額
減価償却費191,389車両運搬具191,389

5年目の仕訳

5年目の減価償却費は「(1,500,000円-1,116,647円)×0.333=127,656円となります。

しかし、この年度で調整前償却額(127,656円)が償却保証額(148,665=1,500,000円×0.09911)を下回ることになるので、以降の年度では「改定取得価額」及び「改定償却率」を使用することになります。

改定取得価額は383,353円(=1,500,000円-1,116,647円)となるので、改定後の減価償却費は「383,353円×0.334=128,039円」となります。なお、減価償却累計額は1,244,686円です。

借方金額貸方金額
減価償却費128,039車両運搬具128,039

6年目の仕訳

前年と同様の計算になるので、減価償却費は128,039円となります。なお、減価償却累計額は1,372,725円です。

借方金額貸方金額
減価償却費430,194車両運搬具430,194

最終年度の仕訳

最終年度は、期首時点の帳簿価額が127,275円(1,500,000円-1,372,725円)で、1円との差額が127,274円となり「改定取得価額×改定償却率」の金額に満たないので、期首の帳簿価額と1円までの金額の差額が減価償却費となります。

従って、最終年度の減価償却費は「127,275円-1円=127,274円」となります。

借方金額貸方金額
減価償却費127,274車両運搬具127,274

間接法による仕訳

間接法にる場合、減価償却費の金額は特に変わらず、使用する勘定科目が「車両運搬具」から「減価償却累計額」に変わるだけです。従って、仕訳の雛形を以下で紹介するだけとします。

借方金額貸方金額
減価償却費××減価償却累計額××

個人事業主の家事消費分の仕訳

個人事業主の場合、購入した自動車を100%事業用に使用しているのであれば、法人の仕訳と全く同じになります(法定の償却方法が異なるので、減価償却費の金額は異なります)。しかし、家事消費(生活用として使用)している場合、家事消費部分については必要経費として認められないので、減価償却費の金額から除く必要があります。

以下では、「事業:家事=7:3」の割合を前提として初年度から2年目までの仕訳を見てみましょう(定額法・直接法の場合)。

購入した年度の仕訳

借方金額貸方金額
減価償却費73,062車両運搬具104,375
事業主貸31,313
合計104,375合計104,375

減価償却の金額自体は、通常の定額法と変わりません。但し、減価償却費として必要経費となる金額は、事業に使用している割合分なので3割部分は「減価償却費」とする事は出来ません。

そこで、31,313円(=104,375円×30%)については、代わりに「事業主貸」を使うことになります。

翌年の仕訳

借方金額貸方金額
減価償却費175,350車両運搬具250,500
事業主貸75,150
合計250,500合計250,500

購入した年度の仕訳と同様、減価償却の金額自体は通常の定額法と同じです。但し、3割部分の75,150円(=250,500円×30%)は「事業主貸」を使う事になります。

減価償却は任意?!

「減価償却費を計上するのは任意!」ということを耳にした事がある方がいるかもしれませんが、これはどういうことなのでしょうか。

任意

法人減価償却については、法人税法31条で以下の記載がされています。

内国法人の各事業年度終了の時において有する減価償却資産につきその償却費として第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は、その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額(以下この条において「損金経理額」という。)のうち、その取得をした日及びその種類の区分に応じ、償却費が毎年同一となる償却の方法、償却費が毎年一定の割合で逓減する償却の方法その他の政令で定める償却の方法の中からその内国法人が当該資産について選定した償却の方法(償却の方法を選定しなかつた場合には、償却の方法のうち政令で定める方法)に基づき政令で定めるところにより計算した金額(次項において「償却限度額」という。)に達するまでの金額とする。

法律の条文は何かと読みづらいですが、要は「減価償却費として損金に出来るのは、帳簿上計上した減価償却金額のうち、償却限度額までとする」ということです。

つまり、決算書上は減価償却費の計上は必要だけど、確定申告書上で一部だけを損金にすることが可能ということです。

これが、「減価償却費の計上が任意」と言われる理由ですね。

一方で、個人事業主の減価償却については、所得税法第49条で、以下の記載がされています。

居住者のその年十二月三十一日において有する減価償却資産につきその償却費として第三十七条(必要経費)の規定によりその者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は、その取得をした日及びその種類の区分に応じ、償却費が毎年同一となる償却の方法、償却費が毎年一定の割合で逓減する償却の方法その他の政令で定める償却の方法の中からその者が当該資産について選定した償却の方法(償却の方法を選定しなかつた場合には、償却の方法のうち政令で定める方法)に基づき政令で定めるところにより計算した金額とする。

難しい事が書かれていますが、要は「12月31日時点で持っていた減価償却資産は決められた計算方法によって減価償却をする!」ということです。

「強制する」という様な文言は特に登場しないですが、この条文によって「個人事業主の場合は減価償却をしないという選択の余地は無い」とされています。

上記は一般的な仕訳や考え方を記載したものです。詳しくは税務署や税理士に問い合わせる様にして下さいね。

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